交通インフラの根幹を変えるウーバー その真価はPOOL(相乗り)にあり

 先日、シカゴで行われたIHAトレードショー出展のためアメリカに行っていた。

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 日本ではハイヤーの配車アプリの一つにすぎないと思い
インストールしたものの一回も使わないでいたウーバー(UBER)。

 こちらではタクシーよりウーバーないしは
その競合であるリフトのほうがよいとの話を聞いたので使ってみた。
日本版ウーバーと何が違うかといえば、タクシーだけでなく
街中を走っている乗用車も配車できる白タク的なところだ。

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 結果から言うと、初日こそタクシーで空港から宿泊先まで向かったものの
翌日以降、移動は帰国まで7日間ウーバーしか使っていない。

とにかく、素晴らしいの一言。満足を通りこして感心するしかない。

シカゴにおいてウーバーが提供しているサービス(2016年3月当時)

アプリは直感的でわかりやすい操作。以下がメニューだ。
ウーバーX
 これがウーバーの真骨頂だ。
 なにがすごいって、ドライバーと車両はウーバーのアプリから登録したタクシー運転手ではない一般の人と自家用車だ。
 アプリで呼ぶと、ほぼ5分前後で自分の最も近くを走っているウーバー登録車両が到着する。
 乗客はメニューが2択あり、相乗りの「POOL」か貸切から選択できる。

ウーバーXL
 ウーバーXに準じるが、車両が大型のSUVないしはミニバンになる。

ウーバーブラック
 ウーバーXに準じるが、車両が黒塗りの上級4ドアセダンになる。

ウーバーエスパニョール
 スペイン語版。アプリがスペイン語になるだけでなく運転手もスペイン語ができる人を配車する。

ウーバーTAXI タクシーの配車。これは日本と変わらない。

ウーバーイート
 出前だ。ウーバー車両が配達してくれる。

7日間、ウーバー漬けで分かったこと

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料金はタクシーより安い

 タクシーは初日のみ3回ほど乗ったが、運賃は日本と変わらない感じをうけた。
 ウーバーは、配車時に目的地も入力すれば、金額は事前に出してくれるのだが
それがなんとタクシーと比較して、半額から1/3だ。
決して安くなるだけではない合理的な面も持っている。
 例えば、自分がいるエリアでの需要(乗り手)が供給(ドライバー)を上回ると2割から5割通常より運賃が上がる。
これが配車前に分かるので、承認して手配するか、10分ごとに料金が変化するのでそれを待つか
選択できる。

・なんといっても相乗り(POOL)こそ真骨頂

 同じ方向に向かう客がいる場合、途中でを乗車させるため立ち寄る。そのため貸切より目的地に到着するのに
数分多く要することになるが、劇的に安くなることがある。
 アプリが乗合の可能性をアルゴリズムで予測して出しているようで、乗合いの人数が多いほど安くなる傾向にある。
 実際には、ほかに乗客が見つからず、乗合いにならずに目的地に到着することもある。
その場合でも事前に見積もられた金額で決済は変わらない。

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・ドライバーの質がいい。車両もきれい。

 降車後にドライバーを5段階で評価できるようになっている。
 レビューこそつかないものの、レーティングシステムは今の定番だ。
レートが低いドライバーはウーバーから契約解除される仕組みになっている。
なんでも、4.5を切ると落とされるとかで、厳しい。
 接客は、いい意味で面倒臭くなく、適度なフレンドリーさと陽気さで接してくれる。
車両も自己所有のため、極端に汚いこともない。

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・気軽に使える、そして、乗っていても楽しい。

 運転手が自分のスマホのドライバー用アプリから乗車と降車をタップするだけ。
そうすると、決済は事前にウーバーのアカウントに登録しておいたクレジットカードから切られる。
面倒なチップ計算はいらない。
財布を一回も出さずに乗り降りするのはまるで、友達にクルマで迎えに来てもらっているような感覚だ。
 乗合時にはほかの乗客も含めて車内でトークが始まることもあり、それもまた面白い。

総評。ドライバーも乗客もWIN-WIN

 ドライバー側はウーバーに20パーセントほどのマージンを払い
残りが自分の所得になる。タクシーに比べて取り分は高い。
また、ドライバー側からも乗客の名前(下のみ)と評価が見えるので、安心感は高いだろう。

 乗合が成立すればするほど
 ・乗客の運賃は安くなる
 ・ドライバーの取り分は多くなる
 だけではない。

 一人一台の通勤時間帯のラッシュを見て、うんざりしているのは誰しものことだろう。

 ・乗合いによる渋滞解消ならびにCO2削減という社会への貢献

 近江商人よろしく、三方良しだ。 

 スマホのアプリ、つまりはソフトウェアが交通システムのイノベーションを促している。

 既得権益を持つタクシー業界の反発を呼ぶものの、確実に「本当に良いもの」への進化に
対しては肯定的に受け入れるのがアメリカの姿勢。この風潮は日本では生まれえない。

 ひたすら車両の低燃費をアピールするしかできないのが日本の限界か。

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